部下というのは、基本的にリーダーのいうことをあまり聞いていない。聞いているふりをして聞き流しているか、表面的に面従腹背の態度を取っているかのどちらかである。その代わり、リーダーの行動はじつによくみている。上司と部下の関係は、教師と生徒の関係に似ている。教師は生徒のことがわかっているようで、じつは何もわかっていない。生徒は教師に怒られないように、あるいはよい子にみられるように振る舞うからである。自分が何を考えているか、教師のことをどう思っているかは絶対に話さない。
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それと同じなのである。三年ほど自分の部下であった人を指して、「あいつのことはよく知っている」と自信を持っていう上司がいる。「オレが支店長のときにあいつを課長にして、常務になったときに部長にしたのだ。だから、あいつはオレの子飼いだ」と吹聴する上司もいる。失礼ながら、そういう上司にかぎって、じつは部下のことを何もわかっていないのである。逆に部下のほうが、上司をよく知っている。かわいがってもらった記憶はかすかにあるが、子飼いとは思ってもいないはずだ。リーダーをめざす人は、こういう上司と部下の意思の相違も、よく理解しておく必要がある。すなわち、部下は何年使ってもわからない、と認識するのがリーダーシップの基本なのだ。だからこそ、日ごろから部下の欲をよく研究して、あなたが示す夢と一致するようなシナリオをつむぎ出す訓練を怠らないことである。